五十畑果樹園の梨

日本の梨には「赤梨」と「青梨」があります。青梨は「二十世紀」のような果皮が緑色の梨です。赤梨は「豊水」や「幸水」など果皮が茶色いもので、主に五十畑果樹園では赤梨を育てています。シャリシャリした食感があります。また成熟すると果皮にザラザラの斑点が目立ちますが、これは水分を果実に閉じこめておくためのコルクの役割をしていますので、とてもみずみずしいと言うわけです。
 
 

幸水

こうすい Kousui


「菊水」と「早生幸蔵」を交配し、1959年(昭和34年)に登場した赤梨です。今では日本の梨の約40%を占める代表的な品種となりました。果実が約250~300gの扁円形で、お尻の部分が大きくへこんでいるのが特徴です。やわらかい果肉に果汁がたっぷり含まれ、食べると強い甘味が広がります。
果皮は褐色ですが、やや黄緑がかったものもあります。販売は7月下旬頃からになります。

豊水

ほうすい Housui


幸水と並んで生産量が多い品種で、350~400gほどになる大きめの赤梨です。日持ちもよく、果肉はやわらかで多汁です。ほどよい酸味と甘みがあり食味に優れています。親は「幸水」×「石井早生× 二十世紀」とされ、1972年(昭和47年)に命名登録されました。販売は8月下旬もしくは9月初旬頃からです。

新高

にいたか Niitaka


1927年(昭和2年)に命名された赤梨です。親は「天の川」と「長十郎」と推定されています。当初は新潟県の「天の川」と高知県の「今村秋」の交雑と考えられていたため、それぞれの地名を取って「新高」と名付けられたそうです。サイズは450~500gくらいで、大きなものでは1kgにもなります。みずみずしい食感で風味豊かな甘さを持ち、酸味は少なめです。販売は9月中旬頃から11月頃。

にっこり

にっこり Nikkori


甘くて大きな「新高」と人気種「豊水」を掛け合わせて栃木県で生まれた赤梨です。1996年(平成8年)に品種登録されました。平均果重が約800gにもなる大玉で、酸味は少なく糖度が高めで果汁も豊富です。10月下旬頃から出回る晩生種で、年が明けても店頭で見られます。
にっこりという名前は、栃木県の有名な観光地である「日光」と、「梨」の読み「り」が由来だそう。このふたつを組み合わせて「日光梨」=「にっこり」というわけです。覚えやすくてかわいい名前ですね。

梨の販売までの流れ

 

1:枝の選定


冬から春先に枝の選定します。
高品質な果実が収穫できそうな枝を残し、樹全体の枝の配置を考え、日当たりが良くなる様にし、古い枝を新しい枝に更新する作業の事です。
主枝等の大きな枝を切るときはあえて4月頃の活動期に行う場合もありますが、11月(または、落葉後)~翌3月、果樹の休眠期に行うことが基本です。 

2:受粉


春に花が咲くので受粉させて実をつけます。
確実に結実するように受粉作業を行います。受粉には、人の手で行う人工授粉とミツバチ等の昆虫を用いて自然受粉を促進させて行う方法があります。
五十畑果樹園の場合、私たちが1つ1つ愛情こめて授粉させていきます。

3:摘果


1ヵ所にいくつも生るので1つにし、その一つを大きくします
摘果作業は、花芽に複数結実した果実を1つに整理します。
枝や果樹の全体に対しての果実数を調整することで、果実の成長を促したり、樹勢が衰えないように調整します。

4:病害虫対策


にっこりなどは長期間の生育となるので病害虫対策として一つ一つにつけています
袋がけを行うことにより、果実に付く病気全体の被害の軽減を行うことが出来ます。五十畑果樹園では、長期間の生育となる「にっこり」などは梨の実に1個1個に袋をかけてます。袋がけを行わないと、ある病気になった時、大量の農薬を使用する必要が発生するからです。

5:販売


箱詰めを行った後、販売いたします
梨は実が大きく成長し収穫時期を迎えると、果実を支える軸が外れやすくなっています。
収穫した梨を選別し、製品として箱詰めを行った後、販売いたします。